卓話


会長挨拶

2023年10月18日(水)

東京ロータリークラブ
会長 筑紫勝麿君


 本日は東京ロータリークラブ創立103周年記念例会兼家族会にご出席いただきまして誠にありがとうございます。

 東京ロータリークラブは1920年10月20日に設立されました。初代会長は米山梅吉氏、幹事は福島喜三次氏です。設立の3年後の1923年9月1日に関東大震災が発生しました。この時、東京ロータリークラブは創立後間もない組織でしたが、アメリカなど世界各地のロータリークラブから義援金や救援物資を受け入れ、このうち義援金は8万9千円あまり、現在の貨幣価値にすると3億円にも上るものでしたが、この義援金を活用して、ロータリーの家という孤児院を建設し、また多くの小学校に教科書や備品を寄贈しました。

 このようにして東京ロータリークラブの本格的な社会奉仕活動が始まったと言われています。その後の東京ロータリークラブは、国内外での自然災害に対して、会員から募った寄付を義援金として送る活動を続けています。

 今年も全国的に気候変動の影響が大きく、猛暑と共に豪雨災害が多発しましたが、このうち、秋田県豪雨災害に対して、2580地区からの呼びかけに応じて義援金を送りました。また、ハワイ・マウイ島の森林火災の被害に対して、さらには、モロッコの地震災害に対して、会員の皆さんに支援金を募っています。

 このように国内外で自然災害が多発する中で、東京ロータリークラブが支援活動を続けていることは大変意義のあることだと思います。

 本日はもう一点、コロナ禍の影響を脱して、記念例会をこのように平穏に開催できるようになったことに言及しなければなりません。2019年度からの3年余りの期間、竹中、濱口、小島の三代の会長が、開会や休会を含めてクラブ運営に大変ご苦労されたこと、また、2022年度からは黒田会長がコロナ禍の推移を慎重に見極めながら、クラブ運営を徐々に平常に戻されたことに、改めて感謝を申し上げます。

 そして、コロナ禍のパンデミックを克服するに当たって大きな貢献をした二人の科学者がノーベル生理学・医学賞の受賞者に選ばれたことに対して、心からお祝いを申し上げます。

 私が女性の研究者であるカタリン・カリコさんをニュースで初めて見たとき、その穏やかで知的な笑顔が印象的だったのですが、その後の報道で彼女の前半生を知ってまた驚きました。彼女はハンガリー生まれですが、実家には水道も風呂もなかったこと、母国で研究者として歩み始めたのですが、研究資金を打ち切られて職を失ったこと、やむなく家族と共にアメリカに移住したことなど、彼女の前半生は苦難にみちたものでした。それにも拘らず、彼女のたゆまぬ努力と業績が、ウィルスに脅かされた多くの人の命を守り、私たちが日常生活を取り戻す大きな原動力になりました。一人の人間の力は小さいようで偉大なものだとつくづく思います。

 本日は、吉兆さんと帝国ホテルさんによります美味しい料理、そして長谷川会員にご紹介いただきました、深山尚久さんのヴァイオリン演奏を予定しています。どうぞごゆっくりお楽しみください。