卓話


〜あなたの中にも1冊の本が眠っている〜「出版で夢を叶える」

2023年8月23日(水)

(株)天才工場
代表取締役 吉田 浩氏


 経営者としての本作りには「6つの効果」があります。この6つは、会社の経営課題の約95%を網羅しています。すなわち、出版によって「マーケティング」(集客)ができます。そして、「セールス」(売り上げアップ)「リクルーティング」「マネジメント」「ブランディング」「PR」が達成できます。

 最初に、「書きたい本が見つかる5つの輪」のワークシートで、自分のテーマを深掘りしてもらいます。5つの輪とは、皆さんが過去に使った「お金」と「時間」、「現在の専門性」と「ネットワーク」、「未来のライフワーク」の5つです。それぞれ内容を10個くらい書き出してもらいます。

 過去に使った「時間」と「お金」ですが、この2つで皆さんの価値観がわかります。たとえば、私は18才で新潟から東京に出てきました。新聞配達をして法政大学を出ました。最近、「もう一度学びなおしたい」と思い、青山学院大学の大学院で学びました。このように、皆さんの使った時間とお金を書き出すことによって、何を一番大事にしているか、人生の価値観がわかります。

 次に、「専門性」です。今までどんなことをやってきたのか?職業や資格などを書いてもらいます。

 さらに、「ネットワーク」。今、どのような情報を受信しているか、発信しているかです。「私は何も情報は受信していませんよ」という経営者がいらっしゃいますが、コロナ禍前に、経営者は平均11個のメルマガを読んでいたそうです。ということは、皆さんも11冊本が書けるということです。

 大事なのは未来の「ライフワーク」であり、人生の最後に残したいことです。実は私は、20年前はこのライフワークなしに本を作っていました。すると、作っても、作っても、本が1年で全部書店から消えてしまい、ものすごく悩みました。

 そして今、最も重要視しているのが「ライフワーク」です。皆さんがどのように生きたか、未来に何を残したいのかを聞き、その思いを本に込めたら、本が書店から消えなくなりました。私がプロデュースした本は書店に3年も5年も残り、売れ続けます。「本に魂を込めること」が私のライフワークです。

 経営者が自分の力で本を書いて、出版社から出すときに必要なのが「出版の3つのニーズ」です。

 まずは、「著者ニーズ」。著者が「書きたい、得意である、伝えたい」ことです。ただし、こちらは要注意です。多くの経営者は、話す中身が全部、自慢話になってしまいます。私がプロデュースしている本は全て商業出版で、全国の書店に並びます。自慢話では売れる本はできません。

 次に、「読者ニーズ」。読者は「幸せになりたい」と思っています。もっとわかりやすく言うと、読者は「自分だけが得をしたい」のです。今すぐ使えて効果がある本を求めています。そのニーズも満たしてあげなければなりません。

 最後に、「編集者ニーズ」。これが最も重要です。編集者は「売れる本」しか作りたくありません。「なぜ、この本が売れるのか?」、きちんとデータや時代性でアピールしなければなりません。

 また、出版には「3つの壁」があります。1、企画書作成。2、企画書売り込み。3、原稿執筆。この3つの壁を乗り越えないと出版できません。

 まずは、企画書を作ります。企画書がないと採用してもらえません。
 それから出版社への売り込みです。今はかなり出版のハードルが高くなっており、いきなり出版社に持ち込んでも、採用してくれる確率は0.5%くらいです。

 そして、原稿執筆です。ちなみに、1冊の本の執筆時間はプロのライターが、著者を取材して書いて、約300時間です。文章に不慣れな経営者が、実際に原稿を書いたら1000時間くらいかかります。これは半年間の労働時間に匹敵します。ですから、執筆はプロのライターに任せた方がいいと思います。

 こうして出版した本は、単なる読み物ではなく、新しい価値創造につながります。本を通じて、著者の持っている全ての「商品・サービス・ノウハウ」が売れます。フランチャイズを経営されている方は加盟店も増えます。コンサルティング会社は顧客が増えます。ちなみに、日本で一番大きなコンサルティング会社は、船井総合研究所ですが、こちらのコンサルタントの本を私が数多く出版プロデュースしています。

 ここで、ちょっと、私が出版プロデュースした本を紹介します。近藤昌平VAV倶楽部会長の『人脈を作りたかったら名刺を捨てなさい』(サンマーク出版)を、ほんの少しだけお手伝いさせていただきました。

 この本の内容は、「名刺交換してビジネスをするだけでは、本物の人脈はできないこと。直接紹介して、初めて強い結びつきのある人脈ができる」ということを述べています。名著です。サンマーク出版の植木宣隆社長(現在は会長)はこのタイトルを見て、「すぐに、うちで出させてほしい」と言ったそうです。

 次に、『祖父から孫への手紙』。著者は竹田眞也さん。本は、去年(2022年)、プロデュースしました。今の日本は、時代が混沌として閉塞しています。著者の竹田さんは「自分の孫がこの時代を生きていくにはどうしたらいいか?」「AI時代、IT時代に生き残るにはどうしたらいいか?」「家訓という形で本を残したい」とおっしゃっていました。出版社を見つけるのは苦労したのですが、合同出版という教科書等を作っている会社で採用され、同世代の方には大変好評です。

 本のすばらしさをお伝えします。本は「時間と空間を超える」唯一の存在です。「空間を超える」というのは、日本中の書店に本が並び、日本中の読者が本を読んでくれるということです。「時間を超える」というのは、本は半永久的に消えません。この世にいつまでも残るということです。

 日本の法律では、出版された本は、全て国会図書館に寄贈されます。そのため、皆さんがこの世からいなくなっても、自分の子どもや孫が、おじいちゃんの書いた本を読むことによって、あたかも「目の前にいる!」ように、リアルに会話ができるということです。これは、本の大きな特徴です。

 さて、ここで質問です。皆さんにちょっと考えてもらいたいのですが、「本は何のために存在する」のでしょうか?本の存在理由は何でしょうか?

 私は、「本は人を幸せにするために存在している」と思っています。1冊の本を1人の人が読むことで、その人は幸せになれる。ですから、本の使命は、「人を幸せにすること」。これが究極の目的です。ちなみに、「本を読む人は読んでいない人より寿命が3年延びる」という確固たる統計データがあります。

 私の人生のメンターは『ユダヤ人大富豪の教え』を書いた作家の本田健さんです。彼は「本を書ける立場にいる人が本を書かないのは罪である」と言っています。これは、どういう意味でしょうか?

 皆さんは本を書ける立場にいます。例えば、皆さんが本を書いて、5000部、1万部、読者に本を読んでもらうと、5000人が幸せになる、1万人が助かるわけです。例えば、経営者であれば、1冊の本によって会社が救われるかもしれません。本を書いて、多くの人を救える立場にいる方が、「面倒くさがって本を書かない」というのは、罪だということです。

 もう一つ質問です。本を出すと、皆さんは「先生」と呼ばれます。なぜ、本を出している人は尊敬されるのでしょうか?

 その答えは、本は「情報価値の最高位」にあるからです。私たちの周りには毎日、たくさんの情報が流れています。「現在の1日は江戸時代の1年間」に匹敵する情報量だそうです。

 例えば、皆さんがテレビに出るとします。しかし、その映像は放映された瞬間に消えます。新聞は1日、週刊誌の情報は1週間で終わりです。ところが、本の情報は一生残ります。しかも、書籍以上に情報価値の高いパッケージは存在しません。ですから、本には最高の価値があり、本を出している方は尊敬されるのです。海外では、作家は日本以上に尊敬されます。

 私の現在の出版活動についてですが、自分の会社で、毎年約50人の著者の出版プロデュースを行っています。それから、「企画のたまご屋さん」というNPOで毎年40冊、「ジャイアン出版塾」で毎年20冊、「出版甲子園」で毎年5冊程の本作りをお手伝いしています。

 おもしろいのは、100人の著者が本を出して必ず言う言葉があります。表現は違いますが、その中身が全員同じなのです。皆さん、「新しい目標が見えてきた」と口をそろえて言います。「出版で自分の夢が叶って、新たにやりたいことができた」のです。

 私は本を書きたい経営者に対して、「いつか叶えたい夢は何ですか?」と必ず5つ聞き出します。そして不思議なことに、本が出た後、必ず夢が叶います。実は、脳科学を使って本を作っています。本を出した後、叶えたい夢を赤ペンで5つ書くことによって右脳に刷り込まれます。頭の中にある「夢を叶える細胞」が無意識に皆さんの夢を叶えていきます。

 本は夢を「最短距離、最短時間」で叶える最強の武器だと断言します。通常は、夢を叶えるときには特殊な才能やお金がかかりますが、本は勤勉に努力すれば、大体1年くらいで書けます。

 最後にお伝えしたいことがあります。私は「出版業界のジャイアン」と呼ばれています。私のモットーは漫画のジャイアンの口グセと同じです。「お前のものは俺のもの。俺のものは俺のもの」です。

 著者が本を作るときに、いろいろ悩んだり、困ったりします。そうした悩みや困りごとを全て私が引き受けます。ぜひ皆さんも「本を出して作家になる」という新しい人生を選んでいただきたいと思います。

 人生はシンプルです。「本を出すか、出さないか」。たった2つの選択肢しかありません。どちらの道を選ぶかは、皆さんにお任せします。

 本は人を幸せにします。ドラッカーの経済学の第一法則は、「顧客創造」です。本の目的も同じです。「幸せなお客さんを創造する」ことであり、これは経済学の原理原則です。ぜひ、皆さんも本を書いて、幸せなお客さん、幸せな読者を創造していってください。

 未来は、今、決めた瞬間に作られます。皆さんが何かをひらめいて、「本を書くぞ」と決めた瞬間に、3年後5年後の未来が変わります。

 「出版によって人を幸せにする」「日本を良くする」。あるいは、「自分の人生をよりよい方向に変えていく」。そんなお手伝いを、ジャイアンは一生かけてやっていきます。 ロータリークラブで講演するというのは、実は、私の夢でした。「死ぬまでにやりたい100のこと」の中の一つです。今日、その夢が叶いました。本日は、心からありがとうございました。


   ※2023年8月23日(水)の卓話をクラブ会報委委員が纏めたものです。